校長室の小窓から⑨
「ありがとう」と言える感謝の夏に
中学校は明日終業式、明後日からいよいよサマースクールですね。
一学期を振り返るとともに、二学期に向けて抱負を立ててほしいものです。
高校生の皆さんには、30 日に学園顧問の門川大作先生によるご講演を予定しています。
門川先生は、京都市教員委員会教育長を務められ、更に4期 16 年にわたって京都市長を歴任されました。着物姿で公務されていた姿をご存知の方も多いことでしょう。先日、門川先生から「感謝の反対語は当たり前」とお伺いしました。何事も当たり前になってしまうと、感謝の気持ちを忘れがちになります。「ありがとう」は、漢字で書くと「有り難う」(有ることが難しい=当たり前でない)です。気遣いや親切を当たり前だとは思わず、「ありがとう」の気持ちを言葉で伝えるようにしてください。
こんな言葉があります。「喜べば 喜びごとが 喜んで 喜び連れて 喜びに来る」京都市出身の指揮者、佐渡裕氏は『努力は足し算 でも 感謝はかけ算』とおっしゃいました。感謝は、足し算以上の力を発揮し、かけ算になるということです。しかし、半分の感謝なら 0.5×0.5=0.25 で、喜びは半減どころか 1/4 になってしまうのかもしれません。「いただきます」「ごちそうさま」という言葉は、海外ではあまり見られません。改めて「食」に対する日本文化の素晴らしい一面を感じます。
酷暑が続いており、農作物の生育に影響を与えています。私たち人間も熱中症や夏バテに気をつけなければいけませんが、農作物も高温障害に敏感です。実ったとしても、見かけが悪かったり、味が落ちたりすると、商品価値は大幅に下がります。我が家は水田や畑で囲まれていますが、農家の方は早朝から見回りされ、気が気でない様子です。天候や水の管理、害虫・病気への対策など、多くの苦労があって、私たちの「食」が成り立っているのです。
夏休みは自宅で過ごす時間が増えることと思います。規則正しい食生活を心がけて、夏を元気に乗り切ってください。また、講習やサマースクールといった学びの機会を逃さず、家庭学習の習慣化、興味関心の拡大につなげてくれることを期待します。
8月18日(月)は始業式に引き続き、オペラ鑑賞等演奏会があります。どうぞお楽しみに。