校長室の小窓から⑱
「冬休み≠冬ごもり」
「令」「密」「金」「戦」「税」、令和になって選ばれた師走恒例の「今年の漢字」です。
「関西万博」「米価格高騰」「東京世界陸上」「女性総理」「デフリンピック」等、今年も数多くの出来事がありましたが、選ばれた今年の漢字は「熊」。リーグ優勝を果たした阪神タイガースで活躍した熊谷敬宥選手の「熊」ではなく、動物の「熊」が選ばれるとは思ってもみませんでした。主催の日本漢字能力検定協会によると、全国で熊の被害が相次いだことや、パンダの中国返還が応募の多かった理由だと言います。
ニュースでは「熊の冬眠」と言っていますが、熊の場合は寒さというより食べ物が不足することから、巣の中でじっとしてエネルギーを節約しているのであって、体温もほとんど下がらず、眠りも浅い「冬ごもり」と呼ばれています。ですから食べ物がある人里では 12 月でも熊が出没するのです。「冬ごもり」は食べ物の量に応じてエネルギーの使い方を調整する「省エネ」の極みなのです。
1970 年代のオイルショックをきっかけに「省エネ」という言葉が使われるようになりました。当時は第四次中東戦争が勃発し、石油価格が急激に上昇したことから省エネが叫ばれました。なにわともあれ、限りある資源がなくなってしまわないよう、エネルギーを効率的に使わなければなりません。特にエネルギー資源のほとんどを輸入に頼っている日本にとってエネルギーの安定供給確保は、最重要課題のひとつです。普段の生活の中で、一人ひとりが省エネを心がけていくことが大切です。とは言いながら、省エネにも限界があります。夏の暑さや冬の寒さには冷暖房が必要です。熱中症予防やヒートショック予防、睡眠の質向上など健康維持につながるからです。要は環境の変化に応じて、エネルギー消費を適切に調整することです。エネルギーだけでなく、時間の使い方も同じです。限られた時間で効率効果的に成果をあげる「ポモドーロ・テクニック」という時間管理法があります。25 分集中して学習し、5 分の休憩で脳をリフレッシュさせるサイクルを繰り返すことです。冬休みは長くはありませんが、限られた時間を有効に活用することができるはずです。決して「冬ごもり」とならないよう、年末年始を過ごしてください。皆様、良いお年を。
令和7年 12 月 22 日(月) 金光八尾中学校高等学校 校長 松井 祥一