美術部 勉強会
2018年6月20日湘南美術学院の佐藤先生が東京藝術大学合格参考作品を持って本校に来てくださいました。
佐藤先生は湘南美術学院という神奈川県の美術予備校で油画を教えていらっしゃる方で、関西圏から東京藝術大学への進学希望の生徒があまりに少ないということもあり、参考作品を持って本校にも訪れてくださいました。
関東の美術予備校は関西圏内の予備校に比べても東京藝大への合格実績が高く、合格出来る技術力のある生徒が描く作品はレベルの高いものばかりです。本校の生徒も今回持って来ていただいた東京藝大合格参考作品を見て、技術力の高さに驚き、憧れ、目標が出来たと思います。
美術の大学は大きく分けて2種類の学科に分かれています。それが美術学科とデザイン学科です。つまり油絵や彫刻、日本画などファインアートと呼ばれる領域とデザインというクライアントの望む製品を制作する領域に分かれているということです。美術系大学を受験する生徒は一般の勉強科目とは別に、科によって異なる実技試験も受験しなければならないのです。
そして、それらの試験を受験して合格した受験生が、受験時の作品を再現したものを合格再現作品と言い、今回はその作品をたくさん持ってきていただきました。また作品を鑑賞しながら受験で何が求められているのかを教えていただきました。お話もとても勉強になりましたが、やはり気になるのは作品!生徒達も自分の受験する学科の作品をまじまじと眺めて勉強していました。
合格された受験生が高校1年生の頃から受験合格時までどのような絵を描いてきたのかをプロジェクターを利用し拝見しました。素晴らしい参考作品が描けるようになるまでには今の自分と同じような時期があったんだと気付かせてもらえ、生徒も勇気が湧いたようです。
時間の無いなかで作品を拝見する事が出来、またお話も聞かせていただき、生徒も受験に対してのやる気が出たのではないかと思います。
今回お話の中で特になるほど!と感じた事は、受験の為に描くだけでは駄目だと言うこと。観察力が大切だということです。
各科、各専攻で求められている試験内容は、入学後講義として実施しないことが多いです。じゃあ何のために今頑張っているのか。受験まで頑張った経験が入学後の講義よりも先にある将来、就職してからに活かす事が出来るからです。今は受験しか考えていないかもしれないけれど、もっと先のことを考えて受験勉強に取り組む。身近な先輩を尊敬する事も大切だけれど、今活躍しているプロを参考に努力する事がもっと勉強になると気付かされました。また、美術の上手い下手は、センスだけでは無く、むしろ観察力にあるというお話もありました。参考作品を描いた受験生に特別な力があるのではなく、どれだけ対象物に興味を持って観察出来るか、自分の絵の狂いに気付けるか、全ては気付き次第だという話でした。人間は気付いた事しか表現出来ない、気付かない人は永遠にそこから上手くなることは無い、でも気付く事が出来ればそのうち出来る様になる。このお話を聞いて、いろんな場所で、様々な事に興味を持ちじっくりものを観察してくれる生徒が増える事を期待しています。
今回もお世話になった佐藤先生、本当にありがとうございました。本校の生徒はこの貴重な経験を受験や将来に活かして欲しいです。
美術部顧問 弘正朋 森岡実里