美術部 高校生勉強会(日本画・箔押し)

美術部 高校生勉強会(日本画・箔押し)

2019/9/14

2019年8月24日(土)嵯峨美術大学芸術学部 造形学科 日本画・古画領域 教授としてご活躍の仲 政明先生にお越しいただき日本画について勉強しました。

日本画は材料の調達や、製作時間などの関係から、中学・高等学校の授業で取り入れることが難しいため、本校の生徒も新たな美術領域に期待して講義を受けていたと思います。この講義をきっかけに大学で日本画を学びたいと考えるようになった生徒もいます。当日の勉強会の様子をご覧ください。

 

まず日本画の歴史や技法、絵の具の素材などをスクリーンで勉強しました。

 

説明の後は実際に日本画を模写する経験をさせていただきました。今回は事前に数枚の絵を準備していただき、好きな絵柄を使って日本画の体験をすることができました。まずは骨書きです!墨の濃さが違う部分も多く、濃淡の表現に苦戦していました。いつも使用している絵の具の感覚で描くと墨が多すぎて失敗、、、ゆっくり描くと墨が吸い込まれて失敗、、、失敗すると元に戻らないため息を止めて集中して取り組む生徒たち。大学の先生たちが周りながら教えてくださり、スムーズに制作することが出来ました。

 

少し制作が進むと鶏を選んだ生徒は、尾の描写で使う「たらし込み」の技法を教わりました。先生が息を呑んで描ききる場面は、高校生とは違い作家としてのオーラや気迫を感じ、私たちまで息を止めてしまうほどでした。きっと美術を学ぶ人への尊敬も深まったはずです。いつも制作している作品より小さなサイズでしたが、集中力や根気がいるのはいつもと変わりありません。午前中のみの講義でしたが1時間ごとに「時間が過ぎるのがすごく早い!」「疲れた。」などの声も聞こえました。

 

いよいよ骨書きが終わり、彩色です。今回は大学で実際に使用する顔料をお持ちいただきました!顔料を膠と混ぜ、絵の具を自分で作って塗る体験など、とても貴重な経験をさせていただき、生徒達も発色の良さに驚いている様子でした。実際手で顔料をつぶし、膠と水で程よい絵の具を作る工程は難しく、先生に「もうちょっと膠や水が足りないかな?」と言われると、言われるがままに膠や水を足す生徒たち、、、果たして絵の具の粘りが変わっていることに気付いているのか、、、気付いた生徒も気付けなかった生徒も、この微妙な差を制作する度に調節している作家さんや先生の職人技に感動したはずです。

 

骨書きも難しかったですがこの彩色、さらに難しい!表から色を塗ったり、部分的に裏から塗ったり、色を塗る順番でも色味が変わってきます。生徒も制作しながら「なるほど。」といった様子で恐る恐る色を塗っていきました。お貸しいただいた顔料の中には天然の顔料もあり、実はとっても高価なんです。私たち教員はというと、生徒たちが使う顔料の配分を見て使いすぎないか、間違えて見本の天然顔料を使わないか生徒たちとは違ったドキドキを味わいました。

 

仕上げは箔押しです。生徒たちは金箔の薄さにびっくり!まさかこんなに薄いなんて!!!教室の冷房の風で金箔が飛んでしまうほど!少しでも湿った手で持てば金箔が引っ付いて台無しに、、、先生があまりに綺麗に金箔をはるので、なぜか皆「自分にもできそう!楽しそう!」と謎の自身を持っていましたが、実際に体験してみると金箔の扱いはとても難しく、引っ付いてはがれなくなったり、そもそも持つこともできない!など最後の最後の行程で苦戦しました

金箔がちぎれてしまった生徒もいましたが先生のフォローあって何とか完成しました!

 

 

今回日本画を勉強、体験させていたことで色の美しさや、絵の具についての知識も深まったと思います。また、普段の美術史で学ぶ以上に専門的なお話を聞くことが出来たので美術領域ごとの違いや特徴にも気付いたと思います。これを機に美術大学を希望する生徒は、自分に合っているのがどの領域なのか検討も出来るのではないでしょうか?また、古美術・修復等に興味を持った生徒もいます。古代からほとんど変わらずに受け継がれていた方法ということで、文明や歴史に興味を持った生徒もいるでしょう。こうやって普段の生活と違った勉強会を開催出来るのは、引き受けてくださる大学の皆様あってのことだと思います。嵯峨美術大学の皆様ありがとうございました。

生徒の皆さんも今回の経験をただ楽しかった!だけにとどめず、技術を伸ばし、興味を持った分野を深く考察する力を伸ばしてほしいです。また自分のやりたいことだけに挑戦せず、いろんなことにチャレンジすることで気付く発見もあります。是非これからもやったことのない事に対して積極的にチャレンジしてほしいです。

美術科 弘正朋 森岡実里